三菱自動車による燃費偽装事件 対象の車種を販売中止にした事や
事件そのものへの嫌気から三菱の販売店は閑古鳥状態で客数は半減
と記者会見で三菱自動車の社長が話した様だ。
まあ 自業自得ではあるが長期間(一説によると25年前から)に渡
りそういう不正が行われていた事が、外部に漏れなかったというのが
不思議である。もしかすると今試験に携わっている人たちは責任者も
含めて不正な試験方法とは知らなかったのでは??とも思ってしまう。
25年前に入社した人は現在 47才でありいわゆる課長(主査)或
いは部長にすらなっているはずで ずっとその試験方法を行ってきた
はずだ。
ekワゴンの開発時に5回も目標燃費が引き上げられたとの報道が有る
が 社内の試験方法が同じであればその都度実燃費が良くなっている事
になる そこが今回の問題の本質で、
試験そのものは違う方法で行っていたが その方法は統一されていた
(過去から本来定められて方法ではないが 同じ方法で測定していた)
のか
試験をその都度燃費が良くなる様に 諸DATAを都度操作していた
(明かなDATA偽装が有った)
のかで大きく問題の本質がが変わる様な気がする、無論後者であれば企業
としての存在価値は無いに等しい。
又、マスコミも新聞・雑誌などでも行っているが 専門誌では当然の様
に新型車が出れば必ずテストが行われ ロードインプレッションや実燃費
の掲載記事が出ている 当然カタログDATAとの比較やライバル車との
比較を行っているが そういうところから燃費が疑わしいとの指摘は小生
の知る限り無かった様に思う。そうなれば何の試験か分からなくなる。
少なくともekワゴンの出た当初にはおそらくダイハツ ムーブとの比較
テスト記事があったはずでそれを引っぱり出して欲しい。
今回の「燃費」に関しては実走行させて燃料消費を見れば簡単に分かる
ので VW車で行われた排ガス偽装とは異なり雑誌のテストでも差は判別
出来るはずである。
よく 新型車が出た当初は 大スポンサーである車会社への提灯記事が
多いとも言われる。そうなると 有る意味 燃費偽装の片棒を担いでいる
ことになり マスコミ自身の検証も必要になるのでは無いだろうか??
逆に 実際にライバル車との比較において極端に燃費等が劣っていない
ので有れば、国が要求しているテストが実走行とかけ離れている つまり
消費者の実使用とは無関係な測定DATA と言うことになりそれはそれ
で問題では?と マスコミが提起すべきだ。
さて この事件を受けて三菱自動車 水島工場(岡山県)では操業を一部
停止(というか作る車がない)しているが 三菱自動車だけでなく関連の
下請け企業にも影響が出てきている。
これは下請け企業がかわいそうだ。そうでなくても経営基盤の弱い中小企業
である。三菱自動車専属の会社も多数有るであろう。自動車メーカーが要求
するジャストインタイムに対応する為 残業を重ね休日出勤を重ねた企業も
有るであろう、自動車メーカーはそれら納入業者には納期を守ることを誓わ
せ 遅延が出ればペナルティを課す場合もあるのであるから 逆に自身の責
(しかも悪質な責)により 操業低下を招いたのであれば当然その補償をす
べきである。
上記の記事では 県や国がその対応を検討というが まずは三菱自動車が
その責を果たすべきで これは自社の従業員に対する責務に優先するのでは
ないか??とさえ小生は思う。
このことは 日本のピラミッド型製造業の構造では あまり議論されて来
なかった。多くの場合中小零細企業は泣き寝入りのケースが多い。先般の不
正経理事件の東芝でもあまり報道されていないが 明らかに不正な事をして
経営が悪化 対策として自社の事業を切り売りする場合等は 外部委託先の
保護は必要なのでは???????
おそらく三菱にしても東芝にしても下請け企業に「監査」を行い不備な点
を指摘 是正させてきたはずである。それをさせる責任は自身が考えている
よりはるかに巨大に自身にのしかかっていることを悟る必要が有る。
これは何も 他人事ではない 多くの大企業に当てはまる様な気がする。