小生が20歳代の頃 国産高級車といえば直列6気筒エンジンと決まっていた
感がある。クラウン・セドリック・マークⅡ・ローレル等全て排気量2L以上
の車は6気筒エンジンがラインナップされていた。
実は 小生6気筒エンジン車を所有したことがなく4気筒エンジンの車のみを
購入し続けている。若いときには やはり金銭的な問題や単純に欲しい車には
直列6気筒エンジン車が無かったという理由である。
(小生 自動車に静寂性は求めない)
その後は衝突安全性その他の理由で V6エンジン主流が移ったため今では
直列6気筒エンジン車はなくなってしまった。(BMWは未だ作っているが)
直列6気筒Iエンジン車は非常に静かである。それはエンジンの構造上クランク
の回転に対して4サイクルエンジンでは完全にバランスが取れるから と言わ
れる。(4気筒エンジン者ではその振動を取る目的でバランスシャフトを設置
しているものまで有る--単純に考えれば機械的損失に成るはずだが)
完全バランスの状況は 下記アニメーションを見て下さい。
しかし 今から30年ほど前になると上記の衝突安全性の問題(衝突時に車体
潰すことで衝撃を吸収するという考えがあり 丈夫で長いエンジンはその妨げ
になる)そして排ガス規制の問題(後述)からV6-直4とエンジンの主流が
移っていったのである。
だが 時代は変わりつつ有るようだ、こんな記事が出ていた。
かなり技術的にも詳しく書かれているので是非一読して頂ければ。
要は 最新のテクノロジー及び新しい燃費規制(WLTP)により直列6気筒
エンジンが復活しつつ有るというのだ。
上記記事のこの燃費規制に対する記述は非常に興味深かった。小生が20歳
を少し超えた頃 ハイパワーターボエンジンの搭乗時にノッキングを防ぐ夢の
仕組みとしてノックセンサーを組み入れ点火時期を可変したものが世に出たの
だが その欠点を補うための EGR(とても懐かしい略語である)を装着していた
事までも 簡単に説明してくれている。
目からウロコの記事である。
記事の末尾はこう締めくくられている(引用します)
こういうさまざまな状況によって、いままた直列6気筒がトレンドになり
つつあるのだ。もうひとつの背景としては衝突安全の技術と素材が進化し、
以前ほど大きな潰れ代(しろ)がなくても衝突エネルギーを吸収できるよう
になったこともある。法律と技術がこれまでの常識を変えていく。工業製品
は社会と密接にかかわっているのだ。
今は廃れてしまった昔の技術が何らかの理由で蘇る 事はよくあることなの
だが なんかそこにロマンを感じる こやじである。
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