ヤマト運輸が30日発表した2016年4~12月期の連結決算は営業利益が前年

同期比7%減の580億円だった。記者会見した芝崎健一専務執行役員は

 「サービスの品質を落とさず一定の利益を出す自助努力には限界がきている。

  料金設定などは顧客とも相談していかないといけない。」

と話したらしいが 「自助努力」?????? 自ら個人顧客を捨て大口顧客

である通販に注力した結果である 「自己責任」だと思うが。。。

 (ヤマトについて書き出したら 長いので   今日はここまで)

 

さて 上のヤマト運輸の言い回しもそうだが 我々はマスコミ等の報道により

様々な情報を手に入れる。しかしその際 その情報の出し方で受け止める側

のイメージが大きく異なることを情報を出す側であるマスコミはよく知っていて

あたかも 違うイメージが我々に植え付けられる事が多々ある。

 

 そんな中 よく言われる「失われた20年」に関して 少し考えてみた。

きっかけは 東洋経済の記事からである。

 

  GDPには「売春」もカウントしていいのか

 

GDP 我々も経済規模を推し量る数値としてよく耳にし使用もするのだが

その中に 売春などを入れても良いのか?という見出しである(オランダで

は一部合法化されていて EUでは先般それについて物議を醸した)。

 

 それはさておき その中で書かれていたことに 実は小生は驚いた。

まず、基礎知識として GDPには2つ有る 

 

 ■名目GDP … ものやサービスの付加価値を合計したもの

 ■実質GDP … 名目GDPから物価変動を除いたもの

 

こう書くと少しややこしい。。。。もっと大雑把にと言うとこうなるらしい

 

 ■名目GDP … 単純に金額から算出したもの

 ■実質GDP … 物量から算出したもの

 

それを踏まえ 通常マスコミでよく語られるGDPは 名目GDPである。

1980年以降の36年間 変化は次のようになる

Gdp      グラフのネタ元は 世界経済のネタ帳

 数字的に並べると

   1980  246兆円

   1988  416兆円

   1995  501兆円

   2016  504兆円

確かに 1995-2016まで年次変化はあるがほとんど増えていない。

「失われた20年」と言うのは本当のように見える。

  

しかしである。これを物量だけで推し量る実質GDPで見てみるとこうなる

 Photo          同じくグラフのネタ元は 世界経済のネタ帳    

 同じく数字的に並べると

   1980  269兆円

   1988  400兆円

   1995  455兆円

   2016  537兆円

あれ?? 1995年から2016年まででも 成長している?????

  

そう この期間 物価が下がったため名目GDPは増えなかったが実質は

それ以前の成長率より緩やかになっているが 成長はしているのである。

  

 実は 我々はその実感としては実質GDPのほうが身近に感じるはずで

ある なにせ生産量そのものは増えているのであるから。しかしマスコミ

等で常に名目GDPが増えていないことを言われ そう言う気分になって

更には お金を使うことを躊躇してきたのではないだろうか???

 これは マクロ経済にとって損失以外の何物でもないのだが???

 

但し この20年間はそれ以前に比べて実質GDPの伸びが緩やかである

事は間違いなく それで名目GDPが伸びなかったことも事実である。

(物価の下落と生産量の増加が同率であったと言う事になる)

その点は 十分理解していただきたい。

  

 因みに マスコミ報道の危なさというところでは本記事のきっかである

東洋経済の記事に名目GDP 実質GDPをあわせたグラフが載っていた。

Photo_2

 これを見ると 実質GDPの伸びがかなり大きいように思えるが??実は

左に表記されたY軸の額に注目してほしい一番下が 0ではなく400兆円

なのだ。(つまり このグラフは400から600兆円しか表していない---

あたかも額の増大が大きく見える)

 こういう表記の仕方は 果たして正しいのか???

 小生は疑問である。