昨日(2/25)朝のめざまし占いで小生の星座は11位であった。

「口は災いの元」という忠告もあったので あまり書きたくは無いのだが

やはり小生の立場からしても 今日はこの話題ならざるを得まい。

 

シャープ株式会社は 昨日の臨時取締役会で 総額6千億とも7千億とも

言われる金融支援を受け台湾の鴻海精密工業に買収される事を決定した。

Sharp_head_office

 日本のエレクトロニクスメーカーが海外のメーカーに買収されたのである

が 買収した側の鴻海精密工業も今で言うEMS 昔で言う下請けメーカー

である(少し違うのは どこかの会社の専属下請けではないということであ

るが 現状アップルの下請け状態で有ることは確かであろう)

小生の勤める会社はかつて その買収された側のシャープの下請けであった

その歴史は古く1960年代後半からのお取引であり 早川電機工業株式会社

当時からのおつき合いである。

 

 因みに昭和末期の頃に「下請け」という言葉が上から目線ではとの指摘が

あり 時の松下グループ(現パナソニック)はそれを共栄会社と呼びだし、

シャープもそれに習ってか「協力会社」と呼んだ。

 小生の勤める会社もその「協力会社」であった。此処で言う「協力」とは

下が上に協力する意味の協力であり 決して上が下へ「協力」してくれるの

では無いのだが。。。

 

 

 経営が苦しいので価格を少しでも上げてくれと依頼しても「指導」という

名目で経理関係の人がやって来て 色々とご指導(世間で言ういちゃもん)

をしていただきました。そのご指導いただいた人がシャープには沢山おられ

のでこんな事には決してならないであろうと信じておりましたのに。

 

 親会社たるシャープの社員さん達が従事すると金銭的に合わない仕事や

長時間労働になるのであるが完全交代制が出来にくい仕事はこぞってその

「協力会社」が担当していた。下請けの悲哀である。

 資金力無い小規模な会社が 大企業殿とお取引を継続させていただくた

めには色々とせねばならないことがあった 今ほどコンプライアンスが厳

格有った訳ではない 極端な話飲み代のつけ回しすらあった。更に 強制

では無いと言う建前の強制で 親会社の商品や株を継続的に買わされてい

た。小生が子どもの頃我が家の電化製品は全てシャープ製であったし 今

でも小生の勤める会社はシャープの株式を保有している。

 但し、株に関しては今回の決定で既にその価値が購入課の6分の一以下

になっているものがそれより更に30%希薄化されるようだ。

 これらも又 下請けの悲哀と言うことであった。

 昔 既に納入した製品までさかのぼって値段を下げろと言う明かな法律違反

を求めた方は 今もいらっしゃるようだ。 流石にその時はそのお方がお帰りに

なられた直後「塩」をまいたのは言うまでもない。それも下請けの悲哀か。。。。

 

 そんな下請けの悲哀 実は今回買収した鴻海精密工業は有る部分で感じて

いるのではないだろうか? 

鴻海精密工業はそれを自身で十分に感じているからこそ完成品のメーカー

である「シャープ」というブランドが欲しかったのでは無いだろうか?

 

上記に書いたように鴻海精密工業はアップルの下請けでもある。両者の決算

を比較すれば良く分かる

 

  アップル(2014)  売り上げ 18兆円  利益5.4兆円

  鴻海精密(2015)  売り上げ 16兆円  利益5400億円

 

売り上げ規模はさほど変わらないのであるが その利益率は 10分の一

である。EMSとはそう言う業態なのである。確かに 5400億円の利益は

たいしたものだが 全世界に100万人以上の従業員を抱えるリスクから

考えれば 特別多い訳ではない。

 

シャープもかつては 多額の利益を上げていた。

 

 10年以上前は 売り上げ 2.7兆円  利益1600億円

 

の時もあった。それでも利益率は6%程度 鴻海の3%からすれば高いが

アップルの30%から見れば。。。。。。。。。

 単純に下請けの利益率は親会社の10分の一とするとシャープの利益率は

0.3%にまで下がる勘定である。まあ今回は鴻海が親会社なのでその部分

は鴻海の意志でどうにでもなるだろうが。

 

そしてシャープが今度は鴻海の下請けという立場になる。技術があろうが

そんなことは関係無しに資本主でもある鴻海に楯突く事は出来まい。

 その時 かつて小生の勤める会社に「ご指導」されていた方々はどの様に

考えられるのであろうか??

 

 彼等は下請けの悲哀に耐えられるのであろうか???

 

巷では 技術の流出(日本からの流出)を心配する声もある がその点に

ついては 先般の報道ステーションで古館キャスターが話した事が真実で

あろう(他のエレクトロニクスメーカーでも 度重なるリストラで退職し

た人たちや 現職でありながら秘密裏にスカウトされた人たちが10年以上

前から 海外メーカーから報酬を受け従事・指導していたと言う点)。

 

 それよりも 良い大学を出て一流メーカーに努めていたはずがいつの間

にか下請けの悲哀を味わう立場になった人たちが それに耐えられるか?

が小生の心配であると共に 興味でもある。

と此処まで書いて 速報が入った。

  

  鴻海「シャープとの調印は当面見合わせる」

既にシャープに下請けの悲哀が始まっているのかも知れない。

 (もう此処で 鴻海 が引いたら 何処も受けるところがないのでは?)