先の8月20日 経営破綻から1年7ヶ月を要し規模を大幅に縮小したデジタルイメージング企業として連邦倒産法第11章の適用を脱する計画について裁判所から承認を得たのが コダック社である。

 何度かこのブログで触れた言わずと知れたカメラ業界の巨人で有った。

最終的に アナログ部門は全て切り捨てられたようである。これも時代の流れて言えばそれまでなのだが。

 

 コダックを破綻に追い込んだのは 間違いなデジタルカメラなのだが特に「コンデジ」と呼ばれるコンパクトデジタルカメラが昨年後半から大幅に失速しており、キヤノン・ニコンと言った日系メーカーも生産計画の大幅な減少を強いられており経営にも打撃を与えているようである。

 これも スマホ にその需要を奪われた結果であり時代の流れになる。

 

 以下は WSJの記事から


 http://realtime.wsj.com/japan/2013/08/23/富士フイルム、高級インスタントカメラで写真好/#printMode

 

そんな中 富士フイルムだけが現在世界で手がけるアナログ のカメラインスタントカメラ「チェキ」が好調のようである。

 8月22日(9月20日発売予定)には 新製品を発表した。

インスタックスミニ90ネオクラシック である。


 2重露光モード

 最長10秒のバルブ撮影モード

 1/400秒の最速シャッタースピード


など カメラ愛好家でも満足する内容が盛り込まれた高級機種でありその値付けも約2万円とかなり高い。この強気は同社インスタントカメラの販売台数が2014年3月期は 対前年度比25%増の200万台を予定するところがベースになっているようで鼻息は荒そうである。

 





 実はこの「インスタントカメラ」年配の方はご記憶だろうが本来はアメリカのポラロイド社の独断場であった。

 1960年代から業界を席巻し 1972年 名機SX-70の発売でそれは頂点に達した。

  (確か 日本では丹波哲朗がCMに出ていたように思う)

これらが記憶にある方々では インスタントカメラ=ポラロイド と言うロジックができあがっているはずである。

 しかし デジタル化の波に乗り遅れたポラロイド社は2001年 更に2008年に2度も経営破綻し消滅した。今はオランダのインポッシブル・プロジェクト社が主に愛好家向けにインスタントカメラを販売しているのみである。

 

 しかし 富士フイルムは諦めなかったようで21世紀初頭の販売減にも拘わらず アナログのインスタントカメラの製造を継続した。

 カメラ業界全体から見れば 200万台/年の生産は微々たる物でありまた、富士フイルムから見ても既にフイルムの売り上げは会社の数%以下なのだが それでもカメラ愛好家を大事にする姿勢は評価されている。

 

記事は こう締めくくられていた。


 デジタル社会の隅に追いやられたと感じ

 ているアナログ愛好家は、まだまだ仲間

 がたくさんいるものだと勇気づけられて

 いるに違いない。

 

各企業の方々も 少しは愛好家 大事にしてくださいね。