テレビ等で放映されたので見た方も多かったであろう。
米国の衛星打ち上げ会社オービタル・サイエンシズが11月28日
国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「シグナス」を、
米バージニア州にある米航空宇宙局(NASA)のワロップス
飛行施設から打ち上げたが、ロケットが直後に爆発、発射場に
落下して炎上し、打ち上げは失敗した
打ち上げに使用したロケットはアンタレスロケットと言う(アンタレスとは蠍座の1等星で巨大赤色恒星)もので ロケットの規模とすればアメリカのデルタⅡとほぼ同じ規模で日本のHⅡAよりは小さい(低軌道への打ち上げ能力が アンタレスが4,200kg HⅡAが10,000Kg).。
今回問題となったのは その1段目で 旧ソ連が開発したNK-33と言われるエンジンをエアジェット社が購入改造を行ったものを使用している(2碁使用)。但しその基本設計は40年以上前のものでNK-33を登載した旧ソ連の大型ロケットN-1は4度の打ち上げ全てを失敗している。
では そんな信頼性の低いものを オービタル・サイエンシズがどうして採用したかと言うというと 単純に 安かったからとの説がある。
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト によると
NK33ロケットエンジンは、1990年代半ば
に約40基が米国のロケットエンジン製造会
社エアロジェット社に売却されたが、その
売却額は1基100万ドルと驚くほど安かった
といわれている。
通常新たなロケットエンジンの開発には数億ドルかかるのが普通で如何安かったがよく分かる。
因みにロケット全体とすれば HⅡAが 18億ドル デルタⅣが27億ドル アトラスⅤが24億ドルであったそうだ。
このアンタレスロケットが今回打ち上げようとしていたのが シグナスである。国際宇宙ステーション(ISS)への補給機の一つで他にはドラゴンや日本のこうのとり(HTV)等がある。
シグナスの姿はこうなる
今回の失敗で ISSへの補給に問題が懸念される。
しかし、冒頭の映像は やはり衝撃的です。
ロケットの持つエネルギーのすごさもだが やはり高度な技術の組み合わせでロケットは飛んでいくものだと改めて感心した。
日本のHⅡAは 25回で 1度だけ失敗しているが(6号機)、それ以降(2005年以降)ほぼ10年間連続して成功している。
来月待つには はやぶさ2号の打ち上げが予定されている。
成功することを祈るばかりである。