昨日24日文化庁の2013年度「国語に関する世論調査」が発表されたのだが、それを伝える各見出しや記事に小生は違和感を覚えた。(これは今までも思っていたのだが)
曰く 慣用句は誤用が増加
曰く 本来とは違う意味に捉えている人が
多かった。
などである。
因みに文化庁はこの建物に入っている。
又、年配の方々が 最近の若者の言葉は乱れているとの意見も良く耳にするのだが、果たして上の記事も 年配の方々も正しいのだろうか??
言葉 特に会話等で使われる口語は時代と共に変化するのが当然である。
その時々の時代に合致した言葉がなければ昔の言葉だけで今の社会での他人とコンタクト出来ないのは致し方ない。それを 乱れている とか 慣用句の使い方が間違っていると指摘していたのではきりがないように思うのだ。
今回の調査では 造語(新たに作った言葉)として
「チンする」(電子レンジで温める)
「サボる」(仕事を怠ける)
「お茶する」(お茶・コーヒーを飲んで一休みする)
「事故る」 (事故を起こす 起こした)
「パニクる」(あわてふためいた)
等を上げている。
文化庁のコメントでは
「効率化や語感の面白みなどに対応できる日本語の多様性や造語力を
示す用法。通じない世代もあり、場面ごとに使い分けてほしい」
と完全否定ではないのだが、この報道をテレビで見ると コメンテーター等が 綺麗な日本語を使うべきだとかを言い否定的に持って行くのが常である。
また 慣用句の使い方が本来の意味とは異なり誤った使い方をしているとの指摘もある。
「世間ずれ」を「世間を渡ってずるがしこくなる」と正しい意味で選択
した割合は04年度調査から16ポイント低下し35.6%。「世の中の考え
から外れる」と誤って覚えている人は55.2%で半数を超えた。同庁は
「若い人ほど誤用が多く、全世代で違う意味で定着しつつある」として
いる。
が これは使い方の間違いというよりその言葉のニュアンスから現世代ではそう考える人が多くなったという風には考えられないのだろうか??
さて 小生が違和感があると始めに指摘したのは 日本語は今までも随分変わってきている と言うことをこれらの批判は加味していないという点である。
身近に 国語辞典が有れば見て欲しい 慣用句やことわざ等の説明で良く出てくるのが
「○○ということ、転じて、○○なこと」
と言うくだりである。そう今通用している(辞書に載っている)言葉も昔と意味が異なり(転じて)使用している事が多いのである。
言葉によっては、元の意味の使い方が、実質的に、ほとんど死語になってしまっていて、ほとんど、「転じ」た方の意味でしか使われなくなっているというものもあるのだ。
もし 今の慣用句や言葉の使い方を否定するなら この「転じて」という使い方は出来なくなる。それではあまりにもボキャブラリーに乏しくなるのでは???
言葉は生き物であり その時代に応じて移り変わる 今は外国からの影響も多かろう そんな中でより早く情報を取り込んで活用する若者から言葉が変わっていくのは当然なのだと思うのだが。
但し、小生は綺麗な日本語を捨てて言いと言うつもりは毛頭無い・逆にもっと活用すべきである。古来の日本語を活用している若者達も多いようにおもう
(最近の音楽の詩やバンド名などにそんな言葉を良く見かける)
一度 テレビで したり顔で「今の若者の言葉は・・・」という人にそのことを投げかけてみたいのだが。。。。。。