先週号のモーニング誌 掲載の「社長 島耕作」は小生にとって興味深かった。
主人公 島耕作が プライベートであるが海外LCCの会長と合い話を聞くと言う趣であったがモデルは マレーシアが本社の 「エアアジア」と創業者トニー・フェルナンデス氏である。(彼の前職がワーナーミュージックであるというのがおもしろいのだが)現在は本拠地をクアラルンプールからジャカルタへ移しているのだが急成長中だ。
漫画の中で出てくる 彼の言葉 「誰にでも平等に受けられるサービス」(価格の安いサービス)という精神は、これからの日本企業全てでも 考える必要があるテーマであろう。
小生が身を置くエレクトロニクス業界でも 特に最近は人件費の安い海外との競争になっているのだが、日本での製造に拘るあまり、本来当該製品には必要でないオーバーな品質を 買う側も、作る側も要求しているように思える。
顧客が本来望むのは 価格に見合った品質であり その本質を等の昔に見抜いているからこそ、著しく品質が高いとは言えない海外製でも構わない との意識が働き日本の家電量販店から日本製の物が消えていっているのでは??
日本で物作りをするのであっても価格が安いと言う最大のサービスを提供することが 出来ないのであろうか??
又、提供するサービスは納期によって変わる事を顧客に知らしめているのもLCCである。 搭乗3ヶ月前と1日前では同じ路線の航空運賃が異なると言うことにもはや異論を唱える人は 日本でもいるまい。 しかし エレクトロニクス業界では納期を押し込めた形で顧客が要求しても価格が変動する
ことはまれなのである。(顧客は材料調達等に 自身で責任を負わないフォーキャストという名の事前情報は流すのだけれども・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
奇しくも 日経にも 7/8 7/10と立て続けにLCC関連の記事が出ていた。
現在世界の空では LCCが飛躍的に顧客を増やしている。
国内線の旅客数世界一位の会社は サウスウエスト航空
いずれも LCCである。
今やアメリカの大手航空会社でもあるサウスウエストは9.11事件の後アメリカの航空会社をおそった不況にも耐え唯一レイオフを行っていない 2012年にはスイスの航空輸送格付け機関から「世界で最も安全な航空会社」の10社のうちの1社に選定されているのだ。LCCと言えども安全性はおろそかになっていないことを証明しているのだ。
現在世界ではLCCのシェアは25%である(南アジアでは50%)2032年には世界でも5割(南アジアでは7割)に達するとの予測まであるようだ。
オーストラリアでも 親会社カンタスの売り上げを子会社LCCジェットスターが抜いた。
日本では 羽田空港の問題 及び航空法の問題からLCCが急激にシェア拡大することは無いとも言われている。
羽田空港の発着枠が一杯で 最大顧客エリアの
首都圏の客をLCCが取り込める飛行枠が取れ
ない。
日本の航空法上 外国の会社は3分の1未満
しか議決権がもてず 日本の会社が67%以上
の議決権が必要などである。
(小生はいずれ日本の資本家が海外のLCCと
手を組んで ANA JAL以外のLCCが間も
なく出て来るとも思うが)
但し時代はLCCだけが 伸長しているわけではないことも証明している。
エミレーツ航空は日本では羽田・成田の枠でお馴染みが少ないが世界では数百機単位で航空機を購入し顧客を順調にドバイに集めている。
ANA JALともLCCと中東勢に挟み撃ちにあっているというのが日経の記事である。
日本の空も 家電と同じようにガラパゴス化が。。。。と記事は締めくくられていた。
小生は LCCの世界シェアが50%を超えてくるとは今のところ思えない、現状のLCC 一般航空会社の中間会社的なところ(エミレーツはそれに当たるかも知れない)と大手航空会社との 三つどもえになっていくのだろうと思う。顧客はそれらの中から 自由に選べる と言うのが理想ではないだろうか?