最も使いやすいサイズ 乗客にも好評で大西洋路線の
世界を変えたとまで言われる名飛行機が 767型機であ
る(正確には ボーイング767型機 B6とも呼ばれる)
ボーイング社では初期のモデル 707 727 737型機の開発
終了後 超大型機の747型機に注力していた その開発に
目処が付き 1970年頃から目指したのが社内プロジェクトで
「7X7」と呼ばれた計画である。
180席から200席程度の座席数で、1800マイルから2500マ
イルの航続距離を有する中距離旅客機である。当初はエン
ジンが 2発(双発機)か3発(3発機)かで迷い 3発機に傾
きつつ有ったのだが、そこに変化をもたらせたのが YS-11
の後継を考えていた日本の航空産業界であった。
日本もオランダのフォッカー社との共同開発を目論んでい
たようだが ボーイングからの提案に早々に乗り換えた、よ
り市場規模が大きいと読んだからである(それは正しかった)
更にそこに石油ショックが 大幅に変化をもたらせた。
原油価格が2-3倍に跳ね上がり 航空産業も燃費が大問
題になったのだ。
石油ショックはボーイングの経営にも打撃を与えた。
ウィキペディアによると
ボーイングの経営状態も不振に陥ったため、ボーイング
では新型旅客機の開発には、日本が共同開発に加わる
ことを強く期待していた。当時のボーイング社長に至って
は、事業比率を50:50とし、航空機の名称でも「ボーイング
/ジャパン」とすることを提案していたほどであった。しかし、
日本が意思決定に手間取っている間の1974年6月頃にな
ると、航空会社は石油危機から立ち直る気配を見せ、これ
に追随するかのように、ボーイングの経営状態も改善する
ことになった。このため、ボーイング側の態度も次第に強気
なものとなり、ついにはボーイング側から「これまで航空機
開発で蓄積した貴重なノウハウを提供する以上、日本側
からは相応の利益を提供すべき」という要求まで出る状態
になった。結果的に、新型旅客機の開発では、日本は15
パーセントの事業分担となり、「事実上ボーイングの下請
けである」という意見も出る状態になったのである。
と 当時のボーイングの移り身の速さが書かれていた。
何はともあれ 燃費の良い飛行機がテーマとなりエンジン
は双発 座席も横7列(8列にすると燃費が2%悪くなる)と
決定されたようだ。この燃費問題に素早く対応したことが功を
奏し 更に燃費重視で決定した7列シートと言うのが世界中
の旅客から高い支持を得た。
座席配置が 2-3-2となる(下記 JALシートマップ)
の座席は 中央の1席 7分の1である。
此が 8列になると 3-2-3 となるだろうから 真ん中席
は 8分の2(4分の1)となり格段とその席に座らされる確率が
上がるのだ。
小生も 仕事で乗るときに 777等は 3-3-3 で真ん中
に当たる確率が高く 閉口する場合多いが767はその点安心
なのである。
コックピットに始めてCRTが用いられたのも767で有る。
(当初は グラスコックピットという言葉もなかったらしい)
このCRT導入で それまでの3名から2名に操縦席人員
が減ったのが 航空会社には大きなメリットもたらせた。
(当初は パイロットの組合が大反対した--ボーイング
側でも乗員組合に配慮し、ローンチ当初は2人乗務仕様
と3人乗務仕様という2種類のコックピットを製造すると表
明し、アメリカのほとんどの航空会社は3人乗務機として
発注していたのである 最終的に1981年に、アメリカ政
府の諮問委員会が「2人乗務であっても安全性は損なわ
れない」と結論を出したことによって、最終的には全ての
ようやく初飛行にこぎ着けたのは 1981年である。
しかし当初は販売は好調ではなく 200機までに6年も
掛かっている。しかし その後もたゆまない改良が加えら
れた事と ETOPS(双発機の片側エンジンが停止した際
残りのエンジンだけで飛行して良いと言う時間の制限の
緩和)の考え方が導入されたことにより 大西洋路線で
大受けしたのだ(超大型機ではキャパが大きすぎるキライ
があった)2002年には週あたり1800便もの便が767により
運航されるという状態になったようだ。
さて これらの理由から B6は世界のベストセラーになった
生産機数も既に1000機を超えている。
派生モデルも当初の-100から-200(ER) -300(ER) -400ER
と大型化していき-100の全長48.5mから-400ERでは61.4mと
長くなっている(その分客席も最大255から375と増えている)
現在も主力の旅客機だが ボーイングとして本来は新型機
787に主力移したい しかし バッテリー問題で。。。。。。。
と言うのが現状である。
日本の空でも JAL ANA スカイマーク等主力機であり
皆さんも乗ったことがあるように思う。
デザイン的には A340にまけるが 乗客としてみたら最高
の飛行機なのではないだろうか??