軽いネタが無かったので 昨日の続きを。
そうして 工場が安いコストの海外に出ていくこと
によりアメリカ そして日本では国内の雇用が減って
います。アメリカでは、2010年の製造業の生産量は
10年前の2000年とほぼ同じ水準でしたが、それを、
なんと600万人少ない雇用者数(2000年当時の雇用
者数の2/3)で実現しているそうです。この600万人
という数字は、アメリカの製造業がそれまで70年かけ
て増やした雇用者数と同じ つまり70年掛けて増え
た雇用がたった10年で失われたと言うことです。
日本の製造業各社がリストラの名目で人員削減を
行っていることは日常茶飯事です。
更に 昨日の記事の象徴であったアップル社等の
商品によりIT分野での生産性の向上に伴いサービス
業でもその人員は減ってきています。
みなさんも一度は経験されているかも知れませんが
例えば新しい回転寿司屋さんや居酒屋に行くと今まで
のメニューにかわり iPadのような画面でオーダーして
いるところがあります。
つまり、従来はウェイターやウェイトレスといった“人”
がやっていた仕事を、IT端末がより完璧な形で代替す
るのです。こうして 益々雇用が失われていくのですが
それを押し進めている アップル社の様な企業はそれ
に見合う雇用を現時点では生み出していないのです。
此処でその雇用が失われているのは俗に言う中流
の人たちです。職業で言うスキルの高さについて小生
は余りその区分が好きではないですが、敢えてそれで
見てみると 1980年と2009年での比較で、雇用全体に
占める高スキル職種の割合は12%から15%に、そして
低スキル職種の割合は13%から17%に増加しているの
に対して、中位スキル職種の割合は75%から68%に減
少しているのです。(特に中位スキルの中で機械運用者
は10%からその二分の一以下の4%まで減少している)
更に 高スキル者の給与は上昇しており、コンピューター
関連職種の給与は、1980年の年間4万9000ドルが2009
年には6万7000ドルまで上昇。逆に、建設の職種の給与
は3万8000ドルから3万5000ドルに低下しているそうです。
これが今アメリカでデモ等が行われている「格差」問題
です。日本も例外ではありません。
数年前の年末「派遣村」事件になった事は記憶に有る
かと思います。又、東京の大田区 大阪の八尾市など中
小企業(企業そのものが中位スキルとも言える)の困窮
は現在かなりのレベルです。
このままでは アメリカ・日本から中流(中位スキル)の
人たちがいなくなる--中位の人達は 下位に成り下が
るしかない--し更に上流(高位スキル)の人たちも徐々
に振り分けられ減少していくように感じます。
最終的には、ほんの一部の人たちが莫大な報酬を得て
それ以外の人たちは貧困にあえぐ様相---アレ!!
これは 先般「ジャスミン革命」とかで独裁者達が倒れた
各国の様相と同じはないか??????
このままで良い訳は有り得ません。企業も政府もこの
問題に直ぐに対応していく必要があります。
みなさんはどう考えますか??
(昨日・本日の記事は岸博幸氏の記事を参照させて頂き
ました。)