こんな記事が出ていた

   ボルト不足で建設遅れ続出 原因は五輪施設などの建設ラッシュと過剰発注


建築関係の部材が不足している。昨年の大阪の台風被害でも風で損傷した屋根・壁を修復仕様にも建築部材の不足と 人の不足で工事が大幅に遅延していた。東日本大震災の復興事業以降兎に角 人・物とも不足しているんだという。

 建築現場では 不足している人を補うために外国人労働者を目にすることが多くなっている。

そして 上記の記事である。鉄骨をつなぐハイテンションボルトと呼ばれるボルトが不足し 建設現場は大混乱しているのだという。記事ではその原因として


  東京五輪の関連施設など都市部の建設ラッシュ

  建設会社などが過剰にボルトを発注していること


を上げているが それって本当の原因では無いように小生は思う。

ボルト不足で建設遅れ続出


 第一 建設現場が 部材・人が不足しているのは東日本大震災後でありすでに6年以上経過している。

 建設会社が過剰にボルトを発注していても 本来であれば順次生産していけばその不足はいずれ解消し始めるはずだ。(まあ ある程度の要因であることは考えられるが)


本質的な要因として ボルト含め建設部材の不足はすなわち日本の製造業軽視にあるのだと思う。
ボルトの単価が安すぎるのである。これは何もボルトに限らず 日本で製造されるものすべてに当てはまるのではないかと考える。

 本来であればもっと高価で取引されるべきそれらの商品だが、近年 海外の粗悪品が出回りどうしても価格が引っ張られて日本製の物も安く買い叩かれてきた、それ故 それらの商品を日本で作る 末端の企業では 利益が出ない・給料が上がらない・後継者がいないなどの無い無い尽くしでどんどん業者がなくなっている。つまり製造するキャパシティが大幅に縮小しているのである。

 末端の実際に製造する業者は資本力の乏しい中小零細企業が多いのが実情である。 それらは過去の技術の蓄積などでなんとか生産を維持してきていたが 高齢化と薄利の2大要素により生産を継続する為の処置が取れなくなってきているのである。それを購入する建設会社や大企業が目先の利益に囚われ 生産継続することを含め製造者を企業内・企業外を含めて軽視してきたつけが今回ってきているだけにすぎないし それはまだ序の口である。


 全体として日本の第一・第二次産業軽視は どんどん進行しそれらに従事する人たちの給与は第三次産業に従事する人たちに比較して著しく安く置かれたままである。(そこには それらの物は海外から安く導入すればいいと言う考え方が助長している面も大いにあろう)

 

 上の毎日新聞の記事も その製造業軽視・製造業従事者の現状まるで気がついていないかのようだが?? 記事を書いている人も・新聞社そのものも第三次産業に属する人たちなので理解できないのかもしれない。

 

 もはや行き着く所まで来ているのではないか?と小生は考える。その為 以降は マクロ的に考えてその是正が始まるのではないかとも??
すなわち 第三次産業関係の対価は下がり 第一・第二次産業の対価は上がる-サービスの単価は下がり、製造品・鉱業品・農業・酪農品等の単価は上がる-と思う。


 今の日本では 著しくサービスの単価が高く 製造の単価が安い。

 

 ボルトの不足は その前触れではないだろうか??

  (かなり 小生自身の願望が含まれております)